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2016-09-19 19:43:00

2012年における世界の平均寿命トップ10では、日本は男性が80.0歳で第8位、女性は87.0歳で第1位でした。平均寿命に加えて近年話題となっているのは健康寿命です。健康寿命は2013年の推計で男性が71.2年、女性は74.2年であり、健康寿命と平均寿命の差は男性で9.0年、女性で12.4年でした。健康寿命は平均寿命より約10年間短いのですが、この日常生活に制限のある期間を短くする、つまり健康寿命を延ばすことが日本にとって大きな目標であるといえます。

健康寿命を延ばすためには要介護となる原因を知る必要があります。介護が必要となった原因の第一位は脳卒中、第二位は認知症、そして高齢による衰弱、骨折・転倒、関節疾患と続きます。ここで大切なのは虚弱(フレイル)とならないためにはどうすればよいか。フレイルとは、筋力、持久力、生理機能の減衰を特徴とする複数要因からなる症候群で、身体障害や死亡に対する脆弱性が増大した状態とされてます。歯科の世界で、こういったフレイルを予防するためにはどうすればよいか。例えば歯周病が進行して、歯がぐらぐら。抜けてきて、よく噛めない状況があるとすると、固いお肉や繊維性の野菜がかめなくなり、自然と柔らかいうどんやおかゆなど炭水化物が増えてきます。そうなると噛む力の低下、舌運動の低下、食べる量の低下、お肉などに含まれるタンパク質が取れなくなると加齢性筋肉減少症(サルコペニア)、運動器症候群(ロコモティブシンドローム)といったことが起こり、フレイルを引き起こしてしまいます。

ここで歯科の果たすべき役割は歯の喪失防止で、80歳までに20本の歯を残そうとする8020運動もこれに関連付けられます。歯を失う原因についてもう一度確認すると歯周病(42%)、虫歯(32%)、破折(11%)とあります。これらのことから、歯の健康は全身の健康とつながるので、歯周病と虫歯に対する予防は大変重要であることがわかりました。